7月20日、日本酒「奥播磨」を醸す、下村酒造店・杜氏の山内邦弘さんにお越しいただき、スタッフ勉強会を行いました。
山内さんは20年以上、酒造りの責任者である杜氏として様々な蔵を渡り歩き、能登杜氏として伝統の技を受継ぎます。昨年から山内さんが「奥播磨」さんで、新たなスタートを切られたので、改めてお話を伺いました。
下村酒造店は姫路駅からバスで1時間ほどの里山にあり、兵庫夢錦や山田錦といった酒米も含め、お米や冷たい水に恵まれた地域です。
蔵元さん（下村社長）、山内さんとも目指すは「透明感より存在感」、「飲みやすさより飲み応え」ということで、県産米を最低でも純米吟醸クラスの60%まで磨き、味があるのに重くない、食事と相性抜群のお酒を造ります。
山内さんにとっても、しっかりお米を磨いた上で味を出すというチャレンジが、はじめての経験ということでした。
その繊細さと飲み応えの両立を支えるポイントは独特のしぼり機にあります。多くの日本酒蔵さんは、お酒をできるだけ空気に触れさせないように搾りますが、逆に下村酒造ではチョコファウンテンのように、上から滴り落ちる構造になっているため、味が乗ったお酒を造りやすいそうです。
なので、籠屋での取扱いはありませんが、蔵の売店では、搾りの過程で出る酒粕の味わいが非常に人気だそうです。
搾りに代表されるように「手造りに秀でる技（機械）はなし」の家訓のもと、山内さんが杜氏に入ってから、全量限定吸水、麹も手造りに変え、作り手としては休憩や休日のない状態で、飲み手としてはより手間隙かけたお酒造りに進化してる最中です。
今回は白麹ブレンドの新商品「雨音に染まる」のお話を中心に、理想のお酒や造りについての考え方を熱く語っていただきました。職人としての情熱を感じる一方で、非常に温かい方で、真面目かつ楽しい勉強会となりました。
山内さん、勉強会と試飲販売会とありがとうございました！
酒販部 川口
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